母の黒留め
- 智子先生のブログ
仲のいい義妹が、尋ねてきました。
甥っ子の結婚式の衣装の相談です。
今回は
亡き母の黒留めを、新郎の母である義妹が着ることになりました。
たとう紙を開くと、懐かしい平安絵巻の柄が。
黒くて長い髪の豪華絢爛な女房装束をまとった女性の後ろ姿。
結構珍しい模様で、おしゃれな母が着ると素敵だったな。
私と弟の結婚式で母が着ていたのを思い出します。
母が亡くなって、
我が家の3人子供達の結婚式で私がまとい、
甥っ子の結婚式で義妹が着て・・・
母がかわいがっていた孫達の結婚式には、母は出席はかなわなかった。
でも、
母の姿はないけれど、この着物には母の思いが宿っているような気がします。
「一緒に祝おうね!」
人が亡くなって、形はないけれど、その思い、想念は残る・・・黒留めを見ながらそう思いました。
そうですね、考えてみれば、
私が孫達が成人するのを見ることは、無理だろう。20年後だもの。ましてや結婚式なんてありえない!(笑)
でも、この世を旅立ってからも、孫達が幸せに生きていくことを、ずっと願って見守っていくと思う。
今だって、うちの亡き母も、毎日へなへなしている私を心配してみているかも。
きっと、「元気出しなさい!しっかりせんか!」って、見守ってくれていると思う。
私のお母さん。
生きてるとき、私、色々反抗して悲しい目にも遭わせて、ごめんなさい。
この歳になって、改めて、亡き母の哀しさ、そして深い愛を感じます。(遅いっつうの!)
何事も順番。
子から親となり祖母となり・・・
それそれの思いや、愛情が次から次へと受け継がれ・・・命は綿々と続いているのね。
な~んて、ちょっと亡き母を偲んでいる、今日この頃なのでした。