ジルコニアについて
- 歯のコラム
歯科治療の選択肢！「ジルコニア」とは？
「歯の治療をしたいけれど、どんな素材を選べばいいんだろう？」
そうお悩みの方も多いのではないでしょうか？
ジルコニアってどんな素材？
皆さんは「ジルコニア」と聞いて、どんなイメージを持つでしょうか？
ジルコニアは、二酸化ジルコニウムという白い粉末から作られるオールセラミックの一種です。実はこの素材、スペースシャトルの外壁や人工関節などにも使われるほど、とっても丈夫で安定した特性を持っています。
歯科治療においては、その強度と体に優しい（生体親和性が高い）性質から、差し歯（クラウン）やブリッジ、インプラントの人工歯など、幅広い治療に活用され、急速に普及しています。
ジルコニアの5つの特徴（メリット）
ジルコニアが歯科治療で選ばれるのには、きちんとした理由があります。
1. 強度と耐久性
ジルコニアは非常に割れにくいのが特徴です。そのため、噛む力が強くかかる奥歯や、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方でも安心して使えます。長期間にわたって安定した状態を保ってくれます。
2. 自然で美しい見た目
「セラミック」と聞くと、見た目の美しさをイメージする方も多いはず。ジルコニアも例外ではありません。近年では材料の開発も進み、ほどよい透明感と白さを持ち、治療した部分が自然な仕上がりになります。
・ オールジルコニア（モノリシックジルコニア）：全体がジルコニアでできていて、特に強度を重視する場合に選ばれます。
・ジルコニアフレーム＋セラミック：ジルコニアの丈夫なフレームの上に、より透明感の高いセラミックを焼き付けたもので、審美性を追求したい場合に適しています。
このように、様々なタイプがあるので、ご希望に合わせた選択が可能です。 
3. 体に優しい「生体親和性」
ジルコニアは金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配がほとんどありません。また、歯茎への刺激も少ないため、体に非常に優しい素材と言えるでしょう。金属イオンが溶け出して歯茎が黒っぽく変色する「メタルタトゥー」のリスクもありませんので、見た目も安心です。
4. 汚れ（プラーク）がつきにくい
表面がツルツルと滑らかなため、虫歯や歯周病の原因となるプラーク（歯垢）が付着しにくいというメリットもあります。これにより、虫歯や歯周病のリスクを軽減する効果も期待できます。
5. 変色しにくい
コーヒーやワインなどによる着色、あるいは時間の経過による変色がほとんどなく、美しい状態を長く保てるのもジルコニアの大きな魅力です。
ジルコニアが選ばれるのはこんな時！
ジルコニアは、以下のような様々なケースで使われています。
* 単独の差し歯（クラウン）：虫歯などで大きく失ってしまった歯を補う際
* ブリッジ：失われた歯の両隣の歯を支えにして、人工の歯を連結する際
* インプラントの上部構造：インプラントの人工歯根の上に被せる人工の歯として
* 詰め物（インレー・オンレー）：比較的大きな虫歯を削った後に詰める際
ジルコニアのデメリット
ここまでジルコニアのメリットを見てきましたが、デメリットについてもお話しします。
* 硬さゆえの注意点
ジルコニアは非常に硬い素材です。そのため、周りの天然歯が自然に摩耗していくのに対し、ジルコニア自体は摩耗しにくい特性があります。しかし、これは「削れにくい」というメリットにもなります。大切なのは、治療後に定期的な検診で咬み合わせをチェックし、必要に応じて調整を行うことです。これにより、周りの歯とのバランスを良好に保ち、快適に使い続けられます。
* 耐力以上の力が加わると割れる可能性
非常に硬いジルコニアですが、想定以上の強い力が加わると、割れてしまうこともあります。そのため、治療前には患者さんの咬み合わせや歯ぎしりの有無などをしっかり診断し、最適な設計を行うことが重要です。
当院のジルコニア治療について
当院では、患者さんに安心してジルコニア治療を受けていただくため、院内技工を設けています。
歯の形をコンピューターで設計するCAD（キャド）、その設計に基づいて補綴物を精密に削り出すCAM（キャム）など、最新の機器を使って、設計から完成まで全て院内で製作しています。これにより、患者さんの歯に合った、高品質な補綴物を提供することが可能です。
ジルコニアは、見た目の美しさと機能性を兼ね備えた素材です。ご自身の歯の状態やライフスタイルに合わせて、最適な治療方法を見つけるためにも、まずは歯科医師にご相談ください。
ジルコニアについて、もっと詳しく知りたいことや、ご自身の歯に適用できるかなど、ご質問がありましたらお気軽にお声がけくださいね。
