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「たった1本」を甘く見てはいけない——歯を失うと始まる、お口と全身のドミノ倒し

  • 歯のコラム

​「奥歯で見えないから放置しても大丈夫」「前歯は見た目だけの問題だから…」と、抜けた歯をそのままにしていませんか?

​歯は1本でも失われると、お口全体の精密なバランスが一気に崩れ始めます。歯科免疫学の研究でも、歯の欠損を放置すると残った健康な歯や全身の健康にまで悪影響が連鎖することが明らかになっています。意外とそのままにして放置している人は多いと思います。そこで、歯が無くなると起こるリスクなどを知っていただけると幸いです。

 

前歯と奥歯、それぞれの「失うリスク

 

前歯を失う影響

​発音障害と嚥下の乱れ: 「サ行」や「タ行」などの息が漏れ、明瞭な発音が困難になります。また、食べ物を飲み込む際の舌のポジショニングが狂いやすくなります。

​審美性とメンタルへの影響: 笑顔や会話に強いコンプレックスを抱き、対人関係やQOL(生活の質)低下に直結します。

 

奥歯を失う影響

​咀嚼効率の急激な低下: 研究データによると、奥歯(大臼歯)を1本失うだけで全体の咀嚼効率は約30〜40%低下すると報告されています。

​前歯への過度な負担: 奥歯という「噛み合わせの柱」を失うことで、前歯に過度な力が集中し、前歯が外側に倒れる「フレアアウト」や破折を招きます。

 

ここで歯を喪失するランキングをご覧ください🦷

公益財団法人8020推進財団の「永久歯の抜歯原因調査」による、歯を喪失する原因ランキング(1位〜3位)です。

 

​第1位:歯周病

​歯を支える骨が溶けていく病気。初期は自覚症状が乏しく、気づいたときには手遅れになりやすい最大の原因です。

 

​第2位:う蝕/むし歯

​重度まで進行して歯冠部が崩壊したり、歯の根元まで菌が進行することで保存不可能となり抜歯に至ります。

 

​第3位:歯の破折

​噛み締めや歯ぎしり、過去の神経治療によって脆くなった歯が過度な圧力で割れてしまう現象です。

 

 

放置すると起こる口内環境の崩壊 

​隣の歯の傾斜と対合歯の挺出: 支えを失った両隣の歯はすき間に向かって倒れ込み(傾斜)、噛み合っていた上下の歯は空いたスペースに向かって伸び出して(挺出)きます。

 

​噛み合わせの崩壊と顎関節症: 歯並びが狂うことで噛み合わせの高さ(咬合高径)が狂い、顎関節の痛みや雑音、口が開かないといったトラブルを引き起こします。

 

​むし歯・歯周病リスクの激増: 倒れた歯の周りには深い歯周ポケットや複雑なすき間ができ、歯垢が溜まりやすくなるため、周囲の健康な歯まで寿命が縮まります。

 

全身疾患へ広がる健康リスク

​近年のコホート研究では、残存歯数が少ない人ほど栄養バランスが偏り(繊維質やタンパク質の摂取不足)、認知症の発症リスクや心血管疾患、誤嚥性肺炎のリスクが高まることが示されています。噛む刺激が脳血流を保つ重要なスイッチでもあるためです。

また、なんらかの原因で片側だけで、食事を続けると、片側の歯だけ摩耗が起こり結果的にバランスが崩れ顔面の左右のバランスが崩れたり肩こりなどの心身の不調に繋がったりします。

 

 

​歯はチームで機能しています。「1本抜けただけ」と思わず、早めに歯科医師の診査、診断を受けていただき、ブリッジやインプラント、入れ歯などの適切な補綴治療を受け、噛み合わせのバランスを再構築することが大切です。

 

 ご自身のお口の中が気になる方は定期的に検診を受け、歯科医師の診査、診断を受けていただくことをお勧めします。

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