歯科医冥利です。
- 智子先生のブログ
ある日のお昼中、壊れてバラバラになった義歯を持って見えた患者さん。
これを治してくれと言われる。
何でも法事が県外であり、今日中にそれもこの時間内(1時間くらい)でなんとかならないかという。
午後はもう県外だという。
義歯だけでない。
歯周病で歯もボロボロ。伸びきって、反対側の歯茎の歯茎に食い込む。義歯を入れるスペースがない。
「できまシェ~ん!そんな言われても困ります。仕方ないので今できることを精一杯します。」
んもう、こんなになってから見えても・・・できることは限られてるよ。
前から、こんな風にならない前に来てくださいって何度も言ったじゃん。
仕方ない、やれるところまでやろう。
で、バラバラの義歯をつなぎ、その場でバネを自分で曲げて手作りし、伸びきってゆらゆらの歯を抜いて、あちこち歯を削って・・・
目にもとまらぬ超特急で・・・・・・
なんとか見かけだけは整えたのでした。
終わって、思いました。
またぐちゃぐちゃになるまで見えないんだろうな・・・(悲)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
で、最近。
おや?また見えましたね!?
法事が終わったそうです。続きを!と言われる。
「すべきことは山積み!
ちょっとやそっとでは終わりませんよぉ!」
「歯磨きもちゃんとしないといいのはできません。
それなりの覚悟をしてくださいよ!それでもいいですか?」
で、結局、なんとか早く咬めるように計画をたてて、
またまた超特急で治療の続きをしました。
その次の回。あら?歯磨きが上手になってる。(嬉)
また、怒濤の治療が始まります。
その日の終わりに言いました。
「何か質問はありませんか?もう、夢中で治療してるので説明が不足して、何されるかわかりませんよ!(笑)
と言うと、
その方はぽつんと言いました。
「先生を信頼しちょるもん。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
はい。心に響きました。
うれしかったです。ありがたかったです。
信頼されて治療できることは歯科医冥利に尽きます。
下手くそだけど、できる範囲で精一杯診療します。はい。失敗もします。うまくいかないこともたくさんあります。
それをひっくるめて信頼してくださる方の治療はとてもやりやすいです。ありがたいです。
反対に疑心暗鬼で不信感をもちながら見える方はとても難しいです。
バー様はどんな患者さんでもOKと言うような人格者ではないのです。
そんなときは二人の男性歯科医師にお任せ。うれしい!頼もしい~!!
いつも思います。お互いに信頼できてこそ、良い治療ができるんだな~。
これは人としての相性の問題でもある。
自分も信頼されるような人格者に・・・というのはもう遅い!!できません!!(笑)
バー様に任せてくださる方に、できることを淡々と、できる範囲で!!精一杯やる。
このスタンスで、続けていきたいと思っています。
あのバーさん歯科医、ちょっと何だかな~と思う方は、遠慮なく、受付で男性歯科医がいいです!っていってくださいね。
と、わがままいっぱいですが、書かせていただきました。