親切の押し売り
- 智子先生のブログ
外国人の患者さんが見えて、
それがきっかけで、20年前にバー様がホームステイしたときのことを思い出しました。
ホストファミリーのお母さんの友達もさそって、皆で、デトロイトの自動車工場をバスで見学に行きました。
そのお友達は50歳ちょっと。
人工股関節をいれる手術をしたばかりだそうです。
バスが工場について、そのお友達の近くに座っていたバー様は、先に降りて手を差し出しました。
ステップを降りるとき、手伝いになればと思ったのです。
そのお友達は、そんなバー様のほうを見向きもせずに、自力で降りました。
あれ~私のこと嫌いなのかな?
ちょっと寂しく思いました。
バスから降りても、ヨタヨタとして歩きます。
ついまた手を貸したくなります。
しかし・・・知らんぷりして歩きつづける彼女。
戸惑う若き日の私。
私のこと嫌いなのかな?
お母さんが言いました。
「彼女は、自分の力でバスを降りたいし、歩きたいのよ。」
そうか!!
人に頼ることなく、ヨタヨタでも自分の力で歩きたいんだ!
がってんがってんがってん!!!
毎年開催される会合で、お年を召して、前からするとかなりお身体が弱られたな・・・
と、一目でわかるようなご婦人とご一緒になりました。
その年の会合は、バイキングだったので、自分で大きなお皿にお料理をとっていかねばなりません。
これまた、見ていると時間がかかる。
もう、何かお手伝いをせずにはいられない。
お手伝いをしましょうか?
と、近くによってお料理をとろうとすると、困ったようなお顔で「大丈夫です」
と、断られました。
ハッとしました。
そこで初めて気づきました。
周りの皆さんは、ご婦人が恥をかかないように、すぐには手を出さずに見守っていたのですね!!
私だけです。猪突猛進、思ったことは即行動。考えがない。
この二つの出来事は、「親切の押し売り」。「小さな親切大きなお世話」
の典型かもしれません。
自分はいいことをしているつもりでも、相手の方にとっては押しつけでしかない場合があるということ。
を学びました。
でも、即行動に移さないことで、問題が大きくなることだってあるんじゃないか?
こんなことは色々失敗や経験を積んで、瞬時の判断の正解率が高まるのでは?と思います。
こんな風に人間、死ぬまで修行。
まだまだですね。