浮いてる?
- 智子先生のブログ
50年ほど前、ある歯科の大先生が引退されて、息子さんに歯科医院をバトンタッチされた。
大先生は、引退しても、他にすることがなく手持ち無沙汰で、時々、白衣を着て診療室に現れる。
と、息子である若先生が嫌がって、「お父さんは出てくるな!」と言われたんだそうです。
そんな話を聞いて、まだ若造だったバー様は、その光景を思い描き、若先生の気持ちに自分の思いを重ねたものだ。
自分の好きなように回している歯科医院内に、古き残骸のような父上が監視に来るようで、いやだったんだろうな。
若先生の気持ち・・・わかるよ!
そしてそのことを、今頃思い出し、今度は、大先生の立場となって、大先生の気持ちはいかばかりだったろうか・・・
寂しかっただろうな・・・と思うのです。
我が家も息子が院長になって、私らジジババは少しずつ仕事をセーブしている。
段々息子の色が出てきて、かなり違った環境になってきている。もちろん、より高度に、より清潔に、よりスマートに・・・
その中で、昔の雰囲気がムンムンしているジジババが片隅で診療している。
特にババの方はまるで浪花節の世界に生きているような御仁。
ガハガハ笑うし、ため口で話すし、「ありがとね!またきてね!」と、まるで昔の野菜やさん。
周りの雰囲気から浮いてるわね・・・笑
最近。ジジが、用事で診療を休んだことがありました。
新院長と、新副院長(長男の嫁)、とババの3人での診療となりました。
すると、ババはなんだか居心地が悪い。
新スタイルの院内に、ぽつんと一軒家・・・じゃないけど、なんか浮いているような・・・
その時、上記の大先生を思い出しました。
いつか、同じ目に遭うことがありはしないか?
いや、うちの子に限って・・・いやそれが一番不確かかも・・・
なんて、心細くなりながら診療したのでした。
ここは私たちが作り上げた歯科医院。自分の生活、自分の人生の一部となっている。
少しずつ仕事を減らしてはいるけれど、決別するのにはまだまだ覚悟ができていない。
特にバー様は他にすることがないので(なんてつまらん奴なんだ!)
それに、何か社会とつながっていたい。人のためになりたい。
誰かのため、何かのために必要不可欠な存在でありたい!!!
子育て中は3人の子供が、お母さんおかあさん、と、争って膝に乗ってきていたのに。
それがどうだ、今では誰も寄りつかない(笑)
あの頃がバー様の黄金時代だったのかも。
誰かバー様を必要としてくれる人はいないのか?
バー様の元に来てくださる患者さん。
ありがたく思っています。感謝していますよ。
こんなババでよかったら喜んで治療させていただきますとも!
最近、そう思うバー様なのでした。